「読解力」の大切さ…問題はしっかり読もう!

こんばんは! Wevery教務課の江草優美です。

どんどん季節が冬に移り変わってきて、中学・高校では次の定期試験が近づいてきている人が多いと思います。また、受験生は受験に向けて勉強時間がどんどん増えてきている頃だと思います。

Weveryでも、様々な生徒がいますが、ここ最近はほとんどの生徒に対して定期試験や入学試験を意識した指導を行っています。

そこでよく生徒に言うことは「問題をよく読むこと!」です。

そしてこれは生徒の学力やレベル関係なく、よく注意しています。

月曜日に指導のあるとある小学生。中学受験をする予定なのですが、とにかく問題を読みません…。

「記号で答えなさい。」を用語で答えている。

「ア~エから選びなさい。」をAとかBと答えている。

「方角で答えなさい。」をアやイなどと答えている。 …ほかにもまだまだあります。キリがないです…。

 

ちょっとこの子は頻度が高過ぎるのですが、その他のどの学年の生徒でもよくあるミスだと思います。ただ、「ちょっとしたケアレスミス」とよく言って軽く流す子もいるのですが、これって深刻なミスだと思います。何しろ、「読解力が足りていない」ということだと思います。

最近インターネットの記事などで、「日本の子どもの読解力が低い」などという記事をよく見ますが、これに関連して興味深い話を読みました。

 

「船上に26匹の羊と10匹のヤギがいる。このとき、船長は何歳でしょう?」

40年前に数学教育を専門とするフランスの研究者が、小学校低学年の子供たちにこの問題を出したら、ほとんどの子どもたちが「36」と答えたそうです。

その後、さらに「数学教育研究所(IREM)」が追加実験を行ったところ、出題された7~9歳の子どもの9割近くがこの問題の意味を正しく理解しておらず、「36」といったような、文中にある数字を組み合わせて答えを出していた、ということがわかったそうです。

 

これは数日前の日経新聞のコラム記事にあった話で、この話を見ると衝撃を受ける人が多いようですが、実際の教育現場では実はよく見る光景です。

小学生を指導していて、少し複雑な文章問題が出てきたり、一つのプリントに四則計算が混ざっていたりする場合、だいたいの生徒が問題にある数字をとりあえず組み合わせて、四則のうちどれかをあてはめようとするのです。4択になるのでたまたま正解してしまうこともあるので、「なぜそうなるの?」と聞くと大抵答えられないか「なんとなく」といったような答えが返ってきます。

そしてこれは中学生でもたまに見かけますし、高校生でもまれに見ます…(高校生になるとあまり文章問題がなかったり、出てくる問題が高度なので単純に計算式を作れないのであまりこういうことをする生徒はいないですが…)

小学校で出てくる文章問題は単純なものが多いです。また、教科書やワーク、プリントに「小数のたし算」など、単元が書いてあることが多いです。ですから、生徒の側は「問題に出ている数字を足せば答えが出てくる」と解釈し、問題を読まずに計算式を作ってしまうのでしょう。確かにそれで解けてしまうので、だんだんと生徒は問題を読まなくなってきます。

しかし、本当にそれでいいのかというと、よくありませんね。上記の船の問題では、出てくる数字と聞かれている答えには全く関連性がないのに、それに9割近くの子どもが気がついていません。海外の話ですが、これは日本でも同じことが起こると思われます。

そしてこれは子どもに限らず、大人にもあると思います。注意書きが書いてあっても、最後までよく読まなかった、もしくは注意書きそのものを読んでいなかったために損をした、などといったことは日常もあるのではないかと思いますし、それを利用して騙してくる詐欺師や悪徳業者もいるでしょう。

この、「文章をしっかり最後まで読んで理解する」というのが、「読解力」の基本であり、基本でありながら意識して訓練をしないと身に付かない力だと思っています。

 

そして、これからの日本の教育では、この「読解力」がしっかり身に付いているかどうかがかなり厳しく問われるようになってきます。

すでにご存じの方もいるかと思いますが、2020年に教育改革が行われ、大学入試や学校のカリキュラムなど、様々な変化が始まります。あくまで「始まる」なので、その後どんどん改革が進んでいく予定です。

その一環というか関連というか、大学入試問題や高校入試問題、中学入試問題に少しずつ変化が出てきています。

単純に知識を聞かれる問題は減少してきており、代わりに記述問題で意見や考え、現象そのものや因果関係の説明を書かせるもの、問題文が長く実験や日常の現象についての文章を読んで答えるもの…など、それこそ「読解力」を問われる問題が増えてきています。もちろん「表現力」も問われてきていますが、そもそも問題の意図(何を聞かれている問題なのか)を理解していなければ、もし表現する力があったとしても正解にはなりません。

もちろん、今まであるような問題でも、そもそも問題で何を聞かれているかや、答え方などはしっかり理解していなければならないものです。

 

試験で点をとるためだけでなく、大人になって様々なことに関わっていく上で、「読解力」は本当に大切なものであると思います。もちろん自分で書く力である「表現力」も大切ですが、まずは他の人が書いたものを理解して、自分のことを書いていく必要があります。

さらにこれは、普段の会話でのコミュニケーションでの、「聞く」力とも関わってくるのではないでしょうか。

 

今回はまたかなり長くなりましたが、とにかく普段の指導で「書かれていることをしっかり読み取ること」を生徒に意識させています。問題に線を引かせたり、問題を音読させたり…。問題の解き方以前の話ですが、とても大切です。ほとんどの生徒が問題をよく読まずに、ぱっと見ただけで答えているのですから。

生徒のみなさんはもちろん、保護者の方も「読む」ことを意識してみてはいかがでしょうか。