お久しぶりです。教務課の江草優美です。
3月に入り、入試や学年末考査もそろそろ終わって、
次の学年に向かって準備を始ようとしている人が多いと思います。
入試や試験直前!という人は、本番で自分の実力を発揮できるよう最終調整中だと思います。
今回は、中学入試を検討している方に向けて、志望校を決めるときに気をつけること、
そもそも中学入試をするかどうかどう決めればよいのかなどお話したいと思います。
中学入試と聞いてみなさんはどんなイメージがあるでしょうか。
「小学生の早いうちから塾に通わせてバリバリ勉強させないといけない」
「高校入試がないから楽」
「レベルがそこそこあるのでよい大学に行かせやすい」
いろいろ人によって違うと思います。
特に中学入試を親自身が経験しているかどうか、
どういった地域に住んでいるかでかなりイメージは変わってくると思います。
中学入試については、「地域」「学校の種類」で大きくタイプが変わってきます。
まず言わずと知れた「大都市圏」。中学入試が盛んで、数多の私立中学が存在します。
私は東京で私立中学入試を経験していますが、
小学校のクラスで半分くらいの子が中学入試を受けていた記憶があり、
それは今でも変わらないか、もっと盛んになっているところもあるかもしれません。
大都市圏では私立中学が難易度が高い学校も多いですが、
たくさんの学校がありレベルもピンからキリまで存在します。
関東圏で最難関といわれているのが私立中学のいわゆる「御三家」と言われるところです。
男子校、女子校それぞれあり、男子校は「開成・麻布・武蔵」
女子校は「桜蔭・女子学院・雙葉」です。
ただし、このランキングは年々変化があり、それについては後で詳しく説明します。
関西圏もたくさんの私立中学があり、灘や甲陽学院、神戸女学院など・・・
難関校はかなりのレベルを必要とします。
それから地方の中堅都市圏。札幌、仙台、広島、福岡や、それに準ずる規模の都市。
大都市圏ほどではないですが、レベルの高い私立中学が存在します。
また、公立の中高一貫校もあり、私立か公立か、
しっかり考えて決めることが大切となっていきます。
というのは、私立中学と公立中学で、入試問題の形式が全く異なるからです。
最難関と言われているところでは、最終的に思考力重視になるのは同じなのですが、
異なる形式の試験となるので対策が変わっていきます。直前になって、
「私立を目指していたけれどやっぱり公立を受ける!」
というのはかなりリスクがあるので注意です。
そして、上記ほどの規模ではないけれど、中高一貫校や国立の附属中学が存在する地方都市。
ここでは圧倒的に公立中学が最もレベルが高い(もしくはそもそも私立中学なんてない!)です。
基本的に公立中学入試を考えることになるか、
数少ない私立中学と公立中学から選ぶことになりますが、
ここで大切になるのが、「そもそも中学入試をすべきなのか?」ということです。
中学入試は基本的に、小学校で普通に勉強するレベルを超えていることが多く、
それなりの勉強量を必要とします。
また、数少ない定員を争うので倍率が高いケースが多いです。
それよりも、こういった地域では高校入試で難関公立高校を目指した方がよい場合があります。
中学入試よりも高校入試の方が一般的に難易度は低いですから、
小学生のうちからそこまでやらせずとも、公立中学に普通に通って難関高校を目指す、
という選択肢も十分あることを頭に入れておいた方がよいかと思います。
(ただ、近くの公立中学であまりよい噂を聞かないので、私立や公立中高一貫に・・・というケースもありますが。)
おおまかに中学入試の地域的、タイプ別で説明をしていきましたが、
ここから先は「中学入試を検討する上で気をつけるべきこと」をお話します。
何よりもまずは近くにある中学校について、様々な情報を集めて、
どんな学校があるのか調べることが大事です。
そして、「なぜ中学入試をさせたいか、子供がしたがっているか」をよく考えることです。
中学入試を経験したことのある人ならばまだよいのですが、
経験したことがなく子供に中学入試をさせようと検討している親御さんから話を聞くと、
よくあるのが「高校入試をしなくてよいから」「中高一貫校はなんとなくよいから」という理由です。
しかし、このような考えで中学入試をするのは入試対策の面でも、
また合格して中学に入学してからもリスクがあります。
まずは「高校入試より断然中学入試の方が難しい!」ということを知っておきましょう。
入試問題も、倍率も、一般的な高校入試より遙かに厳しいです。
普通に小学校で勉強しているだけでは対応できないことが多いです。
面接や作文も課されることがあり、個別で対策する必要があります。
また、これはどの入試でも言えることですが、
「入試に合格することはゴールではなくスタート」であるということ。
大切なのは「合格してから何をしたいか、その学校を卒業したあとどうしたいか」です。
特に中学入試の場合は、最終目標は大学入試の準備を早めに始めて、
レベルの高い大学を目指すことが多いはず。
そこまで考えられているかどうか、親子共々考える必要があります。
そして、よくあるのが「親は受験させたいけど子供は嫌がっている」場合。
本当に子供が嫌がっているのなら、無理して受験させないこと!
親は子供に「中学入試をして中学に入るとどんなメリットがあるか」
「普通の公立中学と何が違うのか」
を伝えた上で、最終判断は子供に任せましょう。
試験を受けるのは親ではなく子供です。
もちろん嫌々入学したけれど後から考えればよかった、ということもあるでしょうが、
子供自身のやる気がなければ成績も上がりにくいですし、合格するのは難しいです。
また、ほかにも親が気をつけるべきことは
「自分の時と今の学校や教育の状況は全く異なること」を意識することです。
これは中学入試を経験している人ならなおさらです。
先ほど関東圏では「御三家」と言われる学校があることを書きましたが、
これは現在変わってきており、「新御三家」と言われる学校があります。
親が受験した時と子供が受験する時とでは、学校のレベルが全く変わっています。
これは大都市圏だけでなく、すべての地域で言えることだと思います。
さらに、この先「教育改革」が控えており、
従来通りの学習では大学入試は太刀打ちできなくなっていきます。
この教育改革にしっかり対応している学校であるかどうかも志望校の決め手になっていきます。
「あれ、この学校昔はあまりレベルが高くなかったのに、今はこんなに偏差値が高い・・・!?」
「この学校は偏差値は低くても、いろいろな取り組みを行っている・・・」
など、調べると色々なことがわかります。
今はインターネットで簡単に情報が得られます。また、書店に中学入試の情報誌もあります。
そして、情報収集で一番よいのが何よりもその中学校に行ってみること、直接聞いてみることです。
文化祭に行くのはもちろん、学校説明会やオープンキャンパスなど、
色んな学校に行って気になることは学校の先生方に直接聞いてみることです。
将来のことを考えながら、どの学校がよいのか、あまり早い段階から一つに決めすぎず、
まずはどんな学校があってどんな教育をしているのか、調べましょう!
それが受験対策の第一歩になりますし、この手順は高校入試、大学入試でも同じです。
どんな学校があるかわかったら、最後は親子でしっかり話し合いましょう。
大切なのは受験する子供本人の意思です。
本人のやる気や目標がなければ、本当の意味で受験は成功しないと思います。
様々なリスクも考慮した上で、中学入試をするかどうか、どの学校を受けるかどうか、よく考えて決めましょう。