高校までと大学の違い

こんばんは。教務課の江草優美です。

昨日、高校1年生の生徒から、文理選択や進路について相談を受けました。ちょうど今ぐらいの時期に、高校1年生は文系か理系かを選ぶ文理選択がありますね。高校2年生も、いよいよ受験生に近付き、高校3年生は推薦などになるともう決まっている人がいる頃だと思います。

だいたいの高校生が進路については悩むと思います。特に大学受験する高校生が多いと思いますが、

そもそも大学ってどんなところ?大学生って何をしているの?

ということはあまり知らないと思います。

「大学って研究するところ」「専門的なことを勉強するところ」と言われても、高校生はイメージしづらいでしょうし、大学生というと遊んでいるイメージがある…なんて人もいると思います。

ここでは真面目に、大学とは何をするところなのか、大学生は何をしているか(何をすべきなのか)ということを、高校生でもわかりやすい形でお話ししていこうと思います。

(もちろん、大学はいろいろな大学や学部、学科があり、やることはだいぶ変わってきます。ここでは一般的にどの大学・学部でもあてはまるような話をしていこうと思います。)

 

まず、そもそも大学は何をするところなのか。もちろん世間一般では「研究機関」といい、様々な学問の研究をしているところなのですが、学生目線で言えば「高等学校よりも専門的な知識を学び、課題を解決するための研究方法を学び、研究をする」場所だと思います。

理系であれば実験などするので研究というのがイメージしやすいと思いますが、文系でも、例えば言語学であれば様々な言語について構造を学んだり、歴史学であれば古文書や遺物などを使い過去の様子を考えたり、文化人類学や民俗学と言われる文化に関わる学問であれば、実際に調べたい文化のある現地に出かけていき、話を聞いたり長期滞在してそこで暮らしてみたり…など、やることは色々あります。

では、大学生になったら何をしなければならないのか?高校生までと大学生の違いは何か?

人によって色々な答えが出てくると思いますが、これについては、私が実際に大学生になったばかりの1年生の前期での、とある講義での話を出したいと思います。

その講義は教養科目と言って、専門科目と違い、どの学部の学生も一定の数受けないといけない専門的ではない講義でした。3~4人くらいのグループに分かれて、教授に出されたお題について話し合ったり、調べて発表したりする、という、高校までで言えば「総合の時間」にあたるような授業でした。

そこでまず出されたお題が「大学でやってはいけないことは何か?」でした。

どのグループも色々話し合ってユニークな答えを出していたと思います。全てのグループが話し合いの結果を発表していった後、教授が「大学でやってはいけないこと」を黒板に書きました。

教授が書いたのは「勉強」という二文字でした。

その二文字を見てとても驚きましたし、他の人もみな驚いて理解ができていなかったと思いますが、その後教授が話してくれたことはとても納得しましたし、すごく印象に残りました。

「大学でやってはいけないことが『勉強』というと、みんな意外に思われると思うが、これは別に『大学生は遊べ』という意味ではない。『勉強』という字に『強』という字が入っているが、これは私は『強いる』『強いられる』の『強』だと思う。勉強は『人から言われてやるもの』であり、つまり大学では『人から言われてやる』ということはしないようにして欲しいということ。高校生までは人から言われて『勉強』をしていたと思うが、大学生はそうではない。大学というところは『自分から学んで研究する場所』である。大学生であるみなさんには、『勉強』ではなく『学問』をするように。」

高校生までは、学校ですでに時間割や指導カリキュラムが決められており、それに従って先生の授業を受けていったと思いますが、大学生では自分で時間割を決めていきます。自分でどの授業をやるか、どの講義を受けなければならないか、を考えて時間割を組まないといけません。しかもそれが年に数回あります。

進学、卒業に必要な単位が決まっており、それを満たすために授業を取らないといけませんし、何より卒業には基本的に「卒業論文」が必要になります。「論文」とは、「自分で見つけた課題を、自分で考えた研究方法で研究し、その結果を記したもの」です。これを書くにはまず知識が必要ですし、研究方法も学ばないといけませんし、今その学問にはどんな課題があるのかを考えなければなりません。そのために必要な講義を自分で探して取らないといけません。

ということで、高校生までと大学生の違いは、一言で言うと「自分で決めてやるかやらないか」だと思います。

大学生は基本的に何もかも自分で決めて、自分でやります。それは人から言われてやるよりも楽しいです。

しかし、その代わり「責任」がついてきます。もし教授に言われたレポートを期日に出せず遅れてしまった場合、高校よりは厳しい対応をされることがほとんどです。試験の採点や評価も厳しいと思います。

また、私生活でも、一人暮らしをする人が多くなると思います。衣食住も自己責任になってきますね。

大学生は楽しそうにしている場合が多いと思いますが、その裏でこれだけの苦労もあるのです。

もちろん、どの大学に進むか、どの学部に行くかなどによって、大学生活はかなり変わってきます。ですので、「これが大学!これが大学生!」というのはなかなか一言では説明できません。でも、ここで話したことはどの大学生も共通することだと思います。

 

大学に入れば、高校より専門的なことを学びます。普通の大学であれば4年間ありますし、学部によっては6年間学びます。その期間、しっかり学習、学問、研究していく訳ですから、進路を選ぶ際は

「自分は将来何をしたいか」「自分は何に興味があるのか」

をよく考えて選択して欲しいと思います。その職業になりたいという強い気持ちやその分野に対する興味や好奇心がなければ続かないと思いますし、なにより楽しい大学生活にはなりづらいと思います。

 

Weveryでは、指導や面談の時でも、その時間以外でも電話やLINEなどでも、いつでも相談を受け付けております。特に、色々な学部の大学生が講師をしているので、「この学部や学科では何をしているんだろう?」「どんなことが学べるの?」など、大学生に聞くことが可能です。

もちろん、大学受験についてや、受験勉強の仕方なども相談に乗っています。

 

色々な人に相談しながら、自分のことをしっかりと見つめて進路選択をしてくださいね。